公的資格に準じる価値がある
日本の社会が高齢化社会となったといわれてから、住環境などを見直すことは日常的に行われるようになりました。
そのなかで、自立した生活ができるような環境を構築するということが重要になってきているのです。
バリアフリーもその中の一つですが、いったいどのようなことをすればいいのかということが問題になるでしょう。
住宅環境という事を考えた場合、どんなところを改修するべきか、素人だけでは判断ができないこともあります。
そのなかで、住宅改修が必要な理由書を作成することができるのが、福祉住環境コーディネーターなのです。
公的な資格に準じるものとして、東京商工会議所が運営している資格であり、社会的にも認知が進んできているといっていいでしょう。
単独で転職に有利になることはない
福祉住環境コーディネーターに求められることは、建築や福祉にかかわることだけではありません。
理学療法士といった医療部門においてもカウンセリングに役立ちますし、インテリアコーディネーターといった意匠部門でも重要視されてきています。
調整するという役割も持ちますし、仲介という役割にも活用されてきているのです。
実務という事を考えても、福祉住環境コーディネーターには、コミュニケーション能力が求められます。
いったいどういった環境を構築するべきなのか、知識だけではなくアドバイスもしていくことができなければ、資格を活用していくことができないのです。
転職という事を考えても、福祉住環境コーディネーターだけで何か有利になることはないでしょう。
しかし、多くの経験やほかの知識を組み合わせることによって、大きな力を発揮できる資格であることは間違いありません。
そのため、法律関係や医療、建築や福祉用具に関する企業であれば、ほかの資格や能力と併せプラスに評価してくれるはずです。
レベルが異なる1級の難易度
福祉住環境コーディネーターの資格としての難易度は、2級までは高いとは言えません。
合格率も5割を超えてきますので、勉強をしていれば合格することができるでしょう。
しかし、1級となると話は異なります。
合格率は一桁台にまで下がり、一番低かった年には1.4%ですので、かなりの難易度になっていることがわかるでしょう。
この難易度の問題の背景には、出題内容の問題もありますが、マークシートのみから、半分が記述問題に変わるということもあります。
マークシートの場合には、わからなくても印をつけることができますが、記述になってしまうと正確な知識がなければ答えることができません。
これだけでも、かなり難易度が上昇してしまっているのです。
受験資格としても、1級は2級合格者でなければいけません。
その分だけ、専門家としての価値はかなり高いものとなっています。
ですが、資格を生かすことを考えた場合、ほかの多くの知識と併せていかなければ価値は高まることがないのはこれからの課題になっているといっていいでしょう。