生命活動の根幹を指導する
栄養学に基づき、バランスの取れたメニューを作成したり、療養のために必要な栄養摂取の指導をしたりするのが、管理栄養士の仕事です。
大規模施設においては、労務を含めた管理業務まで担当することになります。
人間にとって、食から得る栄養は、生きていくためになくてはならないものです。
病気を治す、体力をつけるという意味においても、重要な意味を持っているといえるでしょう。
その生命活動の根幹を指導する資格ですので、非常に難易度が高く、簡単に取得することはできません。
非常に難しい受験資格
管理栄養士の資格を取得するためには、栄養士の資格を有していなければいけません。
栄養士の資格を取得するためには、国家資格試験に合格しなければいけませんが、受験資格が存在します。
修業年限に違いがありますが、栄養士養成施設を卒業することが重要になります。
その年数によって、その後実務経験が問われることになりますので、簡単に取得することはできないでしょう。
実務経験を問われない受験資格の場合、修業年限が4年となりますので、単純に考えた場合4年制大学で学ばなければいけません。
もしくは、専門学校もありますが、数はとても少なくなってしまいます。
つまり、最短でも修業年限が2年となりますので、高校卒業では受験資格は得られないということなのです。
さらに、栄養士養成施設は、夜間や通信教育が存在しません。
全日制で卒業しなければいけないため、働きながらの取得はほとんど不可能であるといってもいいでしょう。
こうした点からも、管理栄養士の資格を取得するということは、転職に大きな力を発揮することは間違いありません。
しかし、転職を踏まえて資格取得を考えるということは、現実的に難しいということになるでしょう。
20%の合格率が難関であると判断できる理由
管理栄養士の国家試験は、合格率が20%程度となっています。
これを単純に高い合格率であるということはできません。
なぜならば、受験者のすべてが栄養士の資格所持者であり、管理栄養士を目指して勉強している人たちです。
高い能力と適性を持った人間が受験していたのにもかかわらず、8割は落ちてしまうという事を考えれば、かなりの難易度であるということがわかるでしょう。
そのため、資格を有している人が転職を考えるのであれば、仕事を見つけることはそこまで難しいことではないといえます。
学校や病院、介護施設などの栄養士や調理士として、一般企業での製品開発や食品分析の研究職としてなど様々な働き口があります。
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ただし、一つの機関に多くの管理栄養士が必要ではないという現状も考えなければいけません。
資格を生かしていくとしても、名称独占ではありますが、業務独占資格ではないのです。
栄養士の資格の段階でも有効に活用することができるため、管理栄養士としての転職を考えるより、栄養士として転職すると考えるほうが有効になってしまうことも出てきてしまいます。
それでも、管理職としての転職を考えることができますので、資格が有利に働くことは間違いありません。